2006年東日本大学対抗ソフトテニス大会 観戦記

 

    と き     平成1871日〜2

    

    ところ     山形市総合スポーツセンターテニスコート

 

五月の春季関東リーグでは、惜しくも第三位に甘んじ王座大会に出場できずに悔しい思い

をしていたがリーグ後の関東学生選手権大会において「行徳・中尾組(
1年)」が優勝の

大殊
勲を挙げ、更に東都大学選手権大会では「堀越・大川戸組(2年)」が優勝するなど

12年生の活躍が目覚しく、今大会も大いに期待されていた。

一日目

第2シードにつき2回戦目東京学芸大学と対戦  中央大学 3:0 東京学芸大学 と

完勝した。なお、善戦敢闘した東京学芸大学の1年生の溌剌としたプレーが印象に残った。

3回戦は青山学院大学と対戦 中央大学 3:1 青山学院大学 と数字の上では順当勝

した様に見えるが、青山学院大学の思い切った戦略的プレーに我が中大選手達は四苦八苦

して辛くも勝ったのであった。弱者が強者を追い込む場面が時々あるが弱者の詰めの甘さ

で、我が方へ勝ちが転がり込んだ、そんな試合であった。

二日目

深夜からの強い雨が朝まで続き、試合が危ぶまれたが取りあえず7時に宿を出発して試合

会場で待機。準決勝戦は早稲田大学であった。930分頃に試合開始のアナウスがあり、

雨がまだ降る中15分間の練習を行った。皆、調子は上々でやる気がみなぎっていた。  

第1試合

       (中央大学)            (早稲田大学)

    行徳(1年)・中尾(1年)組 D × 2  園田・長江 組

 行徳・中尾組はこの春入部の1年生である。春の合宿で背が少し低いがファハンド、バ

ックハンドとも凄く安定したストロークをしていて、更に多様な球種を持った新人を見て

驚いた。それが行徳選手であった。顔の表情は一見ボーとしていて何を考えているのか判

らないが、プレー振りは瞬間的に鋭く速く、練習より実戦(試合)に力が出る選手だなァ

と思ったのが中尾選手でした。このペアが早稲田大学のキャプテン園田・長江組に戦いを

挑んだ。1ゲーム目を取ったことにより、流れが向いてきた。  早稲田の園田・長江組

はやりに苦そうな表情をしていた。打って攻め込んでも、ロブ、シュートでうまく返され

て、いいところで前衛中尾にボレー、スマッシュされ、ゲームカウント3:0になった。

4ゲーム目、園田選手は早め々々に中尾選手を攻めてポイントを取り1ゲーム挽回した。

5ゲーム目が勝負の分かれ目であった。ここで早稲田に連取されると3:2となり流れが

変わってくる。5ゲーム目なぜか園田選手は前衛を攻めて来なかった。行徳・中尾組は1

ゲーム目から打って・打って・上げるのゲームスタイルを基本に戦って、得点してきた。

5ゲーム目も4ゲーム目と同じように園田選手が早目に徹底して前衛を攻めて来たら勝負

は判らなかっただろう。前衛は全般的にサースポーの攻撃に守りが弱い。流れは行徳・中

尾組に戻ってきた。5ゲーム目を取り、結局5:2で勝利した。

2試合

        (中央大学)            (早稲田大学)

    堀越(2年)・大川戸(2年)組 4 × D  鬼頭・塩崎 組

 

堀越・大川戸組は昨秋から着々と力を付けて、今春から主力選手として期待されていた。

時折、気の入らない試合をする欠点がなくなり、信頼を高めてこの大事な一戦に選ばれた。

1ゲーム目から激しい試合になり、取ったり取られたりのシーソーゲームになってくる予

感がした。内容的に双方とも持ち味を生かし、随所にいいプレーを発揮してゲームカウン

ト3:3になった。堀越選手のストロークは速く且つ深く、流石の鬼頭選手も再三返球ミ

スをした。大川戸選手はここぞという時の思い切りのいいボレーとスマッシュでポイント

を挙げてここまで来た。7ゲーム目は競り勝ち4:3と有利な展開になった。8ゲーム目

カウント1:1になり次のボールはストレートの打ち合いになった。堀越選手が押し込ん

だボールを前衛大川戸がいいポジションから思い切りボレーをした。審判のコールはアウ

ト。こちら側からは見えなかった。アッと思った、このポイントが勝利への1本ではなか

ったか。相手は命拾いした、失点と思っていたのが得点になったのだから。このゲームを

落とし、ファイナルゲームに突入した。3本先取されたが1本返して粘り、2:4、3:

5、4:6から驚異的な粘りで6:6のデユースに持ち込む、この後デユースアゲンを2

度、3度繰り返し、マッチポイントを取った。つい、神様に祈った。ここで勝たしてくれと。

しかし、敵も然る者、堀越選手のクロスボールをボレーして得点、またもデユースアゲン

となった。その後2本取られ、負けてしまった。私が見た今年最高の試合でした。誠に残

念無念。堀越・大川戸組にはこの敗戦を反省材料にして、更なる前進を期待したい。

3試合

(中央大学)            (早稲田大学)

    瀧本(3年)・大森(2年)組 D × 1  堺 ・友村 組

 

瀧本・大森組はいつも最初のゲームの入り方が悪く、相手に先行される嫌いがあったが今

回は1ゲーム目から気合が乗っていた。昨日の学芸大学、青山学院大学戦では、いまひと

つ当たりが出ないで苦しんでいた瀧本選手が人が変わったかのように当たりを取り戻して

きた。こうなると前衛大森選手もしっかりと相手の配球を読み、ボレー、スマッシュに活

躍してきた。ダブルス戦は、先ず後衛がしっかりとストロークしないとゲームを作れない

。それは何かと言うと、イージーなミスをしないということが肝心である。多分、迷いを

振り切った瀧本選手はラケットを振り切っていたため昨日までアウトしていたボールが今

日は入るようになった。ラケットを振り切るということが如何に重要か。圧倒的に強く、

切れの良いボールに早稲田チームはなす術も無く押し切られた。これで2勝1敗になった。

殲滅戦1試合目      

(中央大学)            (早稲田大学)

     行徳(1年)・中尾(1年)組 3 × D  鬼頭・塩崎 組

殲滅戦はトーナメント戦やリーグ戦とは違う雰囲気がある。2勝したチームはまだ余裕が

あり何とかなるだろうと思っている。1勝のチームはもう後がない、必死の状態である。

精神的にどっちが有利なのか。どっちとも言えない。双方の気持の持ちようで決まる。

殲滅戦の戦いは、絶対的に先攻優先である。早稲田大学はもう後がない、先攻しないと駄

目だと思っている。では中央大学はどう戦えばいいのか。先攻できればいうことはないが

ゲームを絶対に離されないで食いついていくことがポイントである。

この試合、案の定、鬼頭・塩崎組は最初から必死の形相で攻めてきた。先のことなどどう

でもいい、この一戦に勝つんだという気迫に溢れていた。行徳・中尾組も懸命に離されま

いと対抗したがじりじりと離されて、善戦空しく敗退した。行徳・中尾組のゲーム運びは

今のままでよい、後は負けたときの経験を生かすことである。まだまだ強くなるために。

殲滅戦最終      

(中央大学)            (早稲田大学)

     瀧本(3年)・大森(2年)組 1 × D  鬼頭・塩崎 組

数字のうえでは対戦2勝2敗で対等であるが殲滅戦最終試合になると追いかける方が精神

的に優位だ。肉体的には疲労が溜まっているが今日の気温では2試合の連戦は大したこと

はない。瀧本選手は前の試合で素晴らしい当たりをして早稲田大学から1勝しており、こ

の最終戦でも期待をしていた。しかし、鬼頭・塩崎組の勢いが圧倒的に違っていた。あっ

という間に3ゲーム先攻された。挽回するため戦法を変えてみたが相手は同ずる隙も与え

ず、やっと1ゲーム取るのが精一杯であった。

殲滅戦で1組に回されて負けるほど、屈辱的でくやしいものはない。2試合目で堀越・大

川戸組がマッチポイントを取って、あそこで勝っていれば・・・アーしていれば、コーし

ていればは、結果論で何でも言える。この悔しさをバネに前進するしかない。頑張れ!

              

              石川恵脩 記